
ありがとうございます。
心理カウンセラーの島幸樹です。
前回の「カウンセリングやコーチングで「質問する」ということの意味 1」の続きです。
そして、すべての質問がそうというわけではないれど、質問の意味として重要なものがあります。
起きている問題に対して受動的にとらえていることに対して、能動的にとらえなおすことができるということです。
相槌をうったり、繰り返したりしているだけではクライアントの悩みが平行線のままだったり、さらに深刻化する場合があります。
たとえば「自分は大事なところで失敗ばかりする人間だから、どうせまた今度もうまくいかないだろう」
とクライアントさんがボソッと口にするとき、
「どんなときに失敗するんですか?」とか、「どんな失敗ですか?」とか「失敗ってどういうことですか?」とか。
そのときどきでどんな質問をするかはお互いの関係性次第なのですが、いずれにせよその質問によって、クライアントは自分自身の問題に対して能動的に向き合うことができているんです。
「失敗ばかりする人間だから、今度もうまくいかない」というとき、これは問題を解決する方向に向かっていないことがあります。
自分は失敗ばかりする人間だというところから思考がスタートしているんです。
自分が失敗ばかりする人間という前提が今後起きるいろいろな経験を拘束、制限してしまっています。
「いつからそんなふうに思うの?」
たとえばカウンセラーがそういう質問を突然に投げかけることによって、一瞬パッと「失敗ばかりする人間」から解き放たれるかもしれません。
「誰かがあなたにそう言ったんですか?」
そういう質問でも同じです。質問に対する答えがYesであれNoであれ、私が主体となってその問題に向き合おうとしています。
もちろんそれだけでそのクライアントが良くなるとか生まれ変わるとかそういうことはないでしょうけど、ただそこから会話が生まれたり、会話は生まれなかったとしてもクライアントの心には何か変化が生じます。
それが「気づき」です。
どのような質問を投げかけるかによって、人の人生(といえば大げさかもしれませんが、「日常の考え方」)は変わってきます。
だから良い質問とか良くない質問はあるかと思います。
ただ少なくとも言えることは、それまで受動的だった思考が能動的な思考に変わることがあるとすれば、クライアントにとってそれは大きな意味があることだと私は考えています。

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心理カウンセラー・講師 島幸樹(しまさちき)
Heart Trust Communication 代表。
カウンセリングと心理学の学びをご提供し、自分らしい生き方を見つけるお手伝いをします。
専門は教育、発達心理学/カウンセリング心理学。学習塾の経営を経て、現在は講師・研修業と心理カウンセリングを行っています。
大阪生まれ。奈良在住。
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