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心がスーッと楽になる心理カウンセリング・心理学講座│Heart Trust Communication

受け止めることと、受け入れること。カウンセリングの話

2020年5月30日
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お釈迦様の話で、他人の怒りを受けとらなかった話はとても有名です。

長い修行生活を終え、その悟りを多くの人たちに広める旅に出かけるようになったお釈迦さま。
そのお姿は多くの人たちから慕われるようになった。
しかし中に、そんなお釈迦様のことを妬ましく思うある男がいた。

彼は考えた。
たくさんの人がいる前でお釈迦様の悪口をたくさん言ってやろう。
そうしてお釈迦様を怒らせてやろう。
その姿を周りのみんなに見せれば、お釈迦様の信用を失わせることができる。
そこで彼はあるとき、お釈迦様と弟子たちがいる前に現れ、
たくさんのお釈迦様への悪口を言い放った。

ところがお釈迦様は、その男がどれだけ悪口を言おうとも、
まったく動じず、そして怒り返すどこから、
何も言わず、ただ黙っていた。

そのうちに男は疲れてしまい、その場に伏せてしまう。
そばにいた弟子の一人がお釈迦様にこう言った。

「どうしてあなたはあれだけ悪くののしられたのに、あなたは何も言い返さないのですか」

お釈迦様はこう答えた。

「あなたがもしも誰かにプレゼントを渡そうとしても、相手がそれを受け取らなかったら、そのプレゼントはどうなりますか?」

彼は考えた。

「受け取ってくれないわけだから、自分で持ち帰ります」

彼はそう言って、ハッと気が付いた。

お釈迦様が答えた。

「そうですね。相手がそれを受け取らなかったら、それはまた自分自身に戻ってきます」
と。

もともと自分の中にあったものに、自分自身で気が付くことができる。

怒りというものは相手の中ではなく、自分の中にあるものだと。

そういうことを教えてくれるお話です。

 

ただ、これは怒りに関してのみのお話ではありません。

私は心理カウンセラーだから、人の話をお聴きするのが主な仕事です。

でも、……いや、だからこそ、なんでもかんでも同じように聴くわけではなくて、聴き方を考えているし、あえて「聴かない」ということも必要なときがあるといってもいいのかもしれません。

たとえば愚痴、
たとえば言い訳。

もちろん愚痴にもいろいろあるし、言い訳にもいろいろあります。
愚痴りたい心理にはいろいろあるだろうし、言い訳をしたい心理にもまたいろいろあるでしょう。

その中で「今ここで」愚痴っていたり言い訳したりするクライアントの言語と非言語を、心理カウンセラーがどう聴くか、あるいは聴かないか。

もう少し言うならば、
聴くには聴くし、受け止めるには受け止めるんだけれど、その、相手の話に「乗るか乗らないか」、「受け入れるか受け入れないか」でいえば、乗らないときもあるし、受け入れないときはあるわけで、そういったことを無意識にしまっているのではなくて、私たちは意識的にそういう聴き方をしている、ということです。

クライアントさんが誰かのことを愚痴れば愚痴るほど、その方はその方自身の中にある何かに気が付くことがあります。
でもこちらが、その愚痴に「それはほんとそうだよね。あなたが言うとおりだよね。ああ、それはひどい、うんうん、わかるわー」
と(また、これは極端な例ですが)話に乗ってしまったり受け入れて自分事のように聞き入ってしまうと、その方はその方自身のものに気が付かないかもしれません。
言いたかったことが言い切れてスッキリするのかもしれないけれど(スッキリするのかな)、その方自身で気が付くべきもっと何かの重要な機会を、カウンセラーが奪ってしまっているのではないだろうか。

ところで、私は自分がカウンセラーであろうとなかろうと、私自身として、そんなふうに相手の自律性を奪うような自分自身でありたくないと考えています。自分がそうされるのは嫌だし。

相手の自律性を奪ってしまうくらいならば、話に乗らず、受け入れない、ふわっとさらりと身をかわす、そんな存在である方が楽だし、好きだ。

言い訳でもそう。

私自身も言い訳はするし、言い訳するにはするで理由があるわけだけれど、
誰かの言い訳に対して、それを熱心に聴いてあげるのか、聴いてあげないのか。
それはその時その時で考えて、こちらはこちらの行動をします。

言い訳をしている自分が「これは自分に言い訳をしているのだ」と気が付くことによって、次の思考とか行動があります。
でも、それを安直に受け入れてしまって、あるいは話に乗ってしまうことによって、言い訳が言い訳としてのみ成立してしまう。

他人に言い訳をして、その人を誤魔かすとか、その場を丸く収めるとか、そういうことをしても良いのか良くないのかという問題は、社会性の問題です。

だけど、その言い訳で自分自身を誤魔して生きるのか、そうではなくて自分自身が変わっていくのか。
それはその人の生き方の問題。

その人の問題だから、その人がどう考えたり行動するのかは、私には関係がないのだけれど、ただ、私がどうありたいかを考えたときに、私はその話に乗らない、受け入れないと思ったら、私はそうします。

これってけっこう冷たくて、けっこう勇気のいることなのだけれど、私自身、もっと若かった10代、20代に出会った人たちからそういう関わり方をされてきたことを記憶しています。

そして、今、そうされてきて良かったと振り返って思えることがとても多いです。

あのとき他人に渡そうとしたプレゼントの箱を、少し距離を置いた場所からぼんやりと見ながら、そこにいてくれて、決して受け取ろうとはしなかった人たちがいてて、その都度私はそれを持ち帰り、そして考えることによって、自分自身を知るきっかけをいただきました。

話を聴くということは、相手の話にただただ乗るということではない。
受け止めるということと、受け入れるということはちがう。

話を聴くということとか、カウンセリングというものを人はどう考えているのか、それは今ここで私が書いたこととは大きく違っているのかもしれないけれど、私はやはり私自身の思うところに正直でありたいと思います。

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(本日の記事は、音声でも保存しています。そちらもご参照くださいませ)

 

お読みいただき、ありがとうございます。

【執筆者】 心理カウンセラー 島 幸樹(しま さちき)
Heart Trust Communication 代表。対人関係・コミュニケーションのセミナーや研修、また、教育に関連するテーマの講座と心理カウンセリングを主に行っている。人間学、臨床心理学を大学で専攻し、卒業後は学習塾の講師、教室長、また経営に15年携わり、多くの子どもたち、保護者の方たちと関わる。2017年から心理カウンセラー、心理学講師として、子どもの不登校、ひきこもりの悩みを抱える親御様、また職場の人間関係等でメンタルヘルス不調を抱える方々へのカウンセリングを行っている。
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受け止めることと、受け入れること。カウンセリングの話

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