
ありがとうございます。
心理カウンセラーの島幸樹です。
この記事は、心がスーッと楽になるメルマガ(2020年4月4日)の一部抜粋です。
私たちの脳はかなり優秀で、同時にかなり怠慢です。
最近の研究でも話題に挙がっていましたが、私たちが五感を通して得ている情報はものすごい量で、それを一気にすべて取り込もうとするとエネルギーは相当消耗しパンクしてしまいます。
エネルギーが足りずに餓死してしまうわけです。
たとえば皆さんがカフェで恋人とお茶しているとき、目は恋人の顔を見ているかもしれないし、鼻は紅茶の香りを楽しんでいるかもしれない、耳は店内のBGM、味覚は? 触覚は?
でも私たちの脳は思っている以上に、もっと優秀で店内のレイアウト、店の外の情景、机の下や店員さんの態度、他のお客さんの……、五感を通して得られる情報をすべて実はキャッチしています。
だけど、それら全部を取り込んでしまうと、もう何も集中できません。
たとえば今、皆さんが自分の鼻の先を見ようとしたら見えると思います。
つまり鼻先は視野に入っているわけです。
でもそれをいちいち気にしていたら(多分いまもう気になっていると思うんですが)、読むことに集中できなくなりますよね。
精神医学の言葉では「選択的非注意」というのですが、私たちは何かに注意が向いている間、別の何かからは注意を逸らす働きがあります。
これは精神的に健康な人が備えている私たちの脳(心)の働きです。
カクテルパーティー効果といって、人込みでガヤガヤしている場の中でも自分に関連のある言葉が遠くで聞こえたらそちらへ意識が傾きます。これはそのワードに無意識に「選択的注意」をしているわけですね。
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ニュースを見れば、SNSを見れば、誰かに会えば、今は嵐のようにキーワードは飛び交い、あちこちでデマも事実も流れています。
それらは私たちの心を不安にさせます。
不安という感情は私たちの心の健康な働きで、それは「先(未来)が見えないとき」に生じるものです。
今起きていることは過去にない状況で、確かに未来が見えないので不安になるのは当然です。
ただ、この状況の中で私たちの脳は今、鈍化している、つまり鈍感になっているといえるかもしれません。
先が見えなくなり、不安が大きくなると、私たちは膨大な量の情報の中から、信じたいもの「だけ」を信じるようになります。
その内容が現実的に正しいか正しくないかとは別に、心が信じたいもの「だけ」です。
一人ぼっちで寂しい少年少女は、大人の優しい誘惑を信じます。
メンタルが傷ついている人は、高いお金を支払った相手の言葉を信じます。
愛する子どもを思う高齢の親は、子どもの緊急事態の一報を信じます。
先に不安になり、かつ何を信じればよいのかがわからない状況の中で、私たちの脳は鈍感になり(というか敏感になるのか…)、現実的に正しいかどうかではなくて、ただ信じたい情報「だけ」を信じようとします。
長くなりましたので、続きはまた次に書きますね。
また読んでくださると嬉しいです。

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心理カウンセラー・講師 島幸樹(しまさちき)
Heart Trust Communication 代表。
カウンセリングと心理学の学びをご提供し、自分らしい生き方を見つけるお手伝いをします。
専門は教育、発達心理学/カウンセリング心理学。学習塾の経営を経て、現在は講師・研修業と心理カウンセリングを行っています。
大阪生まれ。奈良在住。
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