
ありがとうございます。
心理カウンセラーの島幸樹です。
文章の一字一字を頭でなくて、
心全体で拾いながら全部、全部を受け止めたいような、とても素晴らしい本。
スラスラ読めるといったものではなくて、
エピソード1つごとに胸が痛くなるし、考えさせられました。
「愛を科学で測った男―異端の心理学者ハリー・ハーロウとサル実験の真実」
アカゲザルを使った代理母、隔離の実験をしたハリー・ハーロウの伝記。
布でできたはお母さんと
針金でできたお母さん。
ミルクが出るのは針金の方なのですが
サルは果たしてどちらを選んだでしょう。
という有名な実験について
もちろん詳しく書かれているのですが、
それは本の真ん中ぐらいでしょうか。
その実験に至るまでの
当時の「愛」についての考え方や
そのころ当たり前だった
心理学の定説が描かれていて、
人生というのは、
どんな時代を生き、
どんな人と関わってきたかによって出来上がっていくのだと実感する本でした。
読み応えのある厚みの本だから
正直、読み始めはちょっと抵抗があったのですが
読めばもうすぐにはまりこんでしまいます。
子が親を必要とする心と行動、
親の子を愛する心と
そこから自然に出てくる行動、
それらの相互作用が
その子のその後の命にどう関わってくるのかという、
日常的に考えれば当たり前の話なのですが
それを科学で実証したハーロウ。
でもそれは美しい部分だけではない。
ハーロウは
愛を持って子どもを育てることの大切さだけを
実験によって私たちに見せてくれただけでなくて、
愛を持たずに育った子どもがどう育っていくのか
つまり
愛に満ちた美しい命の姿だけでなくて
愛に飢えた絶望の淵にいる命の姿までを
追究した人でした。
たとえば「抱っこの大切さ」を
強調するだけのような優しく温かい話ではなく、
その抱っこを完全に奪われたとき
命はいったいどうなっていくのか。
今ではこのような実験は
倫理的に許されるわけがないけれど
倫理的に許されるはずもないことが
今、人間の世界でも起きていることは事実であって
このような今を生きる人間の一人である私は
この本の中で見たその光景を
ずっと心に残しておかないといけないと思いました。
そして
自分ができることは何だろう
それをずっと考え続けました。
以前にこの本をチェックしたら、
もう在庫切れになっていて
しかも中古品が高値になっていたから、
もう手に入らないのかなと思っていたけど
今見たら再び在庫がありました。
重版したのかな。

心理カウンセラー島幸樹の「心がスーッと楽になるメルマガ」
では読んでくださる皆さんの心に届き、読むだけで気持ちがスッキリする心理学、もっと素敵に生きられる心理学をメールマガジンにてお届けしています。
どうぞご登録ください(無料)。お待ちしています。
→心がスーッと楽になるメルマガの購読申し込みはこちら
心理カウンセラー・講師 島幸樹(しまさちき)
Heart Trust Communication 代表。
カウンセリングと心理学の学びをご提供し、自分らしい生き方を見つけるお手伝いをします。
専門は教育、発達心理学/カウンセリング心理学。学習塾の経営を経て、現在は講師・研修業と心理カウンセリングを行っています。
大阪生まれ。奈良在住。
さらに詳しい自己紹介はこちら。