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「LINEグループから外される」
 中学生とか高校生の間ではクラスや部活のLINEグループがあり、そこでいつまでも仲良くするなら良いんだけど、そのグループに入れてもらえなかったり、はじめは入れてもらえてたけどメンバーから外されたりすることがあります。
 今みたいにみんながLINEを使っている以前から似たようなことはあったと思いますが、それがこういうインターネット上で行なわれるものだと、より陰湿な印象があるように思います。
 イギリスの小児科医で精神分析家のウィニコットの論文に「一人でいられる能力(the capacity to be alone)」というものがあります。
 私たちは自分にとって本当に大切なことを決める時には実は誰でも一人なのです。
 進学、就職、結婚、そして子育てに関する重要事項を決める、最後の一瞬は自分一人の決断に任されます。
 自立という目的達成のために、私たちはこの「一人でいられる能力」を身につけておく必要があります。
 生まれる前そして生まれたばかりの赤ちゃんは完全に母親と心身一体です。泣けばすぐにお乳を与えられ、おしりが湿ればすぐにおむつを変えてもらえます。赤ん坊が不快感を持てば、母親がすぐに快適な環境に変えてくれるのです。
 ところがしばらくして赤ちゃんと母親にこうした中でしっかりした信頼関係が築かれると、今度は赤ちゃんの不快感に対してすぐに母親が飛んでくることがなくなってきます。現実の世界では、赤ちゃんが泣き出した時すぐ目の前に母親がいないということもあるわけです。
 でもそのとき赤ちゃんはどうするかといえば、母親とのしっかりした信頼関係が存在しているので、大きな不安にはおちいることはありません。そんなときにはしばらく我慢することを覚えたり、例えばお腹がすいていても、そのときだけは代わりにおしゃぶりを使うといったことを学びます。
 これが「一人でいられる能力」の芽生えですね。
このためには母子の間でしっかりした信頼関係が必要です。「一人」とはいっても、逆説的ですが赤ちゃんにとっては「お母さんが心の中にいるけど僕(わたし)は一人」なのです。だから、赤ちゃんがもう少し大きくなって、母親が一緒に遊んでくれない時間があったとしても、子供はそんな時一人遊びをすることによって小さな自立を果たすことになります。
 ウィニコットは小児科医なので乳幼児のことでこの考えを示しているのですが、実はこれは子供がもっと大きくなっても、さらにいえば大人になっても言えることなのではないでしょうか。
信頼関係は母親だけに限らず、父親や友人、先生そして身の回りの人たちとの間で成立します。またそうした特定の人物を超えた、自分自身を支えてくれている今の環境。その中で私たちは、「一人ではないけど一人なんだ」という実感を持つことができます。
 私たちにとって必要なものは、私たちを支えてくれる誰か大切な人、そして私たちを支えてくれている今の環境です。
 また、私自身が誰かにとっての大切な存在になることもできます。自分に必要なものは他の誰かに求めるだけでは手に入りません。他の誰かに与えていけるようでもありたいですね。

ありがとうございました。

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